低気圧や気圧の変化に伴う頭痛・体調不良への対処法3選+1

2020年9月15日

低気圧や気圧の変化に伴う頭痛・体調不良への対処法

こんにちは。
”アメリカの医学・オステオパシー” という手技で身体の調整をしております、ぺんぎん堂の橋本智子です。当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。

気圧の変化や、低気圧の到来にともなって、体調不良を感じる人は意外と多いです。特に女性はホルモンバランスの乱れなども伴って、不調を感じる人がより多いです。体調不良の度合いを緩和する対処法をご紹介します。

1.気圧の変化と体調の関係

天気が崩れると体調が悪くなる、台風が近づくと古傷が痛む、梅雨の時期は関節の痛みがひどい等、よく聞きますよね。

天気と痛みの関係を大規模に調査して、下記の3つが痛みの症状に関係しているという論文が発表されています。

  • 湿度
  • 気圧
  • 風の強さ

15か月にわたって、慢性の痛みの症状がある2658人を追跡し、天気と痛みの変化の関係を分析した、イギリスで行われた研究です。

被験者は、スマートフォンのアプリを利用して痛みの度合いを記録し、そのデータとGPSによる位置情報から天気と痛みの関係を分析しています。(論文は、npj Digital Medicineに掲載されています。Dixon, W.G., Beukenhorst, A.L., Yimer, B.B. et al. , 2019[参考文献 1])

温度・湿度・風の強さ・気圧と痛みの確率

痛みの出る日の予想確率は、15か月の実験期間の平均値「温度 9.3℃、湿度 83%、風の強さ 4m/s、気圧1013mbar」と比較した確率です。

Imageby Dixon, W.G., Beukenhorst, A.L., Yimer, B.B. et al. / CC BY

天気による頭痛などの体調不良の原因は気圧の変化だけではなく、湿度の影響も大きいことがわかります。

気圧とは:低気圧と高気圧

普段は意識することはありませんが、空気にも重さがあるので、いつも私たちは空気に押されています。水圧と同様で、気圧もあらゆる方向から私たちの体を押しています。

人の体は、普段から、大気圧によっておよそ15トンもの力で押されています。それでも、人がつぶれないのは、内側から同じ力で押し返しているからです。

大気圧と体

気圧が低いところ、つまり空気が軽いところを低気圧といいます。通常よりも空気が軽いので、人の体を外から押す力が弱くなります。高気圧はその逆です。

ポテトチップの袋をもって高い山に登ると、袋がパンパンにふくれますよね。 これは、山の上の気圧よりも、袋の中の空気の圧力よりも低いので、内側から押す力のほうが強くなるからです。

エレベーターにのって耳がキーンと痛くなるのもポテトチップの袋と原理は同じです。

1階の気圧よりも、20階や30階の気圧は低いです。
急激に気圧が低くなるので、力のバランスが崩れて体の内側から押す力のほうが強くなり、鼓膜が外に膨らんで、耳が痛くなったり違和感を感じたりするのです。

気圧の変化と自律神経

気圧が変化して低くなる、つまり低気圧がやってくると、外から押される力が弱くなります。内側からの力とバランスがとれなくなってしまいます。

このバランスの崩れに対応するため、自律神経が活動します。気圧の変化が急激だったり、疲れがたまっていたりして自律神経による調整が間に合わないと、体に不調が生じます。

気圧の変化に敏感に反応してしまい、自律神経が必要以上に活発になって体調不良がおきることもあります。

気圧の変化だけでなく、湿度の急激な変化や、高い湿度も自律神経に負担がかかります。

低気圧が来ると雨も降って湿度も上がるので、気圧の変化に加えて、湿度の変化にも起きます。気圧にも湿度にも対応しなければならない自律神経は、バランスが崩れやすくなってしまいます。

2.気圧の変化に伴いどんな不調があらわれるか

気圧が低くなると、普通の気圧の時に比べると、体が膨張してゆるみます。そのため、低気圧はむくみの原因にもなります。

また、血管が拡張してしまい、血流が悪くなったり、脳の血管にまとわりついている神経を刺激して片頭痛を誘発する、という説もあります。

さらに、低気圧にさらされるとヒスタミンという体内物質の分泌が増えることがわかっています。

ヒスタミンによって血管が拡張してむくみが起きて血行が悪化し、交感神経が活発になって痛みや刺激に敏感になります。それが、頭痛や神経痛、古傷の痛みなどの症状を引き起こします。

気圧の変化に伴いおきる体調不良は、人によってこんなに様々です。

  • むくみ
  • 肩こりや首のコリがひどくなる
  • 頭痛、片頭痛
  • だるい
  • 膝などの関節痛
  • 腰痛、坐骨神経痛
  • 古傷が痛む

3.気圧の変化に伴う体調不良への対処法

気圧の変化が変化すると、崩れたバランスに対応するため自律神経がはたらきます。普段から自律神経のバランスをとるようにケアをして、気圧の変化による体調不良の度合いを和らげましょう。

気圧の変化を敏感に感じ取る内耳の血流を良くしておくことも、有効な対処法です。 自律神経が過剰に活動してしまわないように、内耳の血流をよくしておきましょう。

血流が悪くなったり、老廃物がたまりやすくなって起きる、肩こりや首のコリの悪化や、腰痛・神経痛などには、あたためることで対処しましょう。

ただし、脳の血管が広がって神経を刺激することが原因となっておこる片頭痛が起きている場合は、あたためると悪化します。「冷やす」ことで対処しましょう。

それでは、具体的な対処法をご紹介します。

①「耳マッサージ」内耳と自律神経の深いかかわり

内耳には、気圧を感じ取るセンサーがあるといわれています。耳をマッサージして耳の血流をよくして自律神経を整えておきましょう。

  1. 耳たぶをつまんで、5秒くらい真横に軽くひっぱります。続けて、上下にも5秒づつかるくひっぱります。

  2. 次に、耳をかるくひっぱったまま、後ろ方向に5回まわします。

  3. 耳のまわりの皮膚を軽くマッサージします。耳を挟むようにようにして手を当てて、軽く後ろにくるくるとマッサージします。皮膚を骨の上で動かすイメージで、軽い力で行いましょう。

②「ツボ」 片頭痛や自律神経の乱れに

片頭痛や自律神経の乱れに効果的なツボをふたつご紹介します。

ツボは、痛い手前の気持ちいくらいの強さでおしましょう。

親指の腹をつかって、ゆっくり3秒おして、3秒かけてゆっくり戻すのがコツです。 3秒押して3秒かけて戻すのを、3~5回くらいやってみましょう。

合谷(ごうこく)

ツボ合谷:人差し指と親指の骨が合流するところ

人差し指と親指の骨が合流するところ。「万能のツボ」です。片頭痛や肩こりにも効果的と言われています。
仕事の合間に座ったままでも気軽に押せるツボです。

天柱(てんちゅう)

ツボ天柱:首の骨の両側にある筋肉の外側

首の骨の両側にある筋肉の外側。肩や首のコリに目の疲れや自律神経の乱れにも効果的です。
ツボに親指をあてたら、軽く押しながら上を向くと肩の力は抜きながらツボを上手く押すことができます。

③「冷やす」 片頭痛が起きた時に

こめかみから目のあたりがズキンズキンと心臓の拍動に合わせるように痛む、片頭痛。光や音に敏感になってしまうことも特徴です。

痛む部分を冷たいタオルで冷やして、静かな部屋でゆっくり横になりましょう。痛い部分を冷やすことで、一時的に血管が縮んで痛みの軽減を助けます。

スマホアプリやインターネットで、気圧予報を確認できますので、事前に情報をキャッチして、予定も気持ちも備えておくのも良いと思います。

血管が拡張してしまい、脳の血管にまとわりつ いている神経を刺激しておきる片頭痛の場合は、温めると悪化します。一方で、首や肩の血行不良によって起きる頭痛の場合は、温めたほうが楽になります。

どちらのタイプの頭痛なのかわからないときは、少し温めてみる、少し冷やしてみる、などしてみて、楽になるのはどちらか探ってみるのが安全です。

④「普段の過ごし方」 自律神経を整えて、気圧の変化への耐性を高める

普段から自律神経を整えるケアをしておけば、気圧の変化に対応する力を高めることができます。

  • 規則正しい十分な睡眠
    日頃から自律神経のバランスを整えておくために、規則正しい睡眠はとても大切で。

  • お風呂暑い時期でも、ぬるめのお風呂でゆっくり体を休めてください。(ただし、片頭痛のあるかたは、痛みのでそうなときはお風呂は避けてください。)
  • 適度な運動
    スポーツジムに行かなくても、ジョギングに行かなくてもいいんです。
    歩きましょう!無理のない範囲で、続けることが大切です。

  • オステオパシーや鍼灸などの「手技・整体」日頃から自律神経のバランスを整えたり、呼吸を整えたり、循環を良くしておくのに、外部の力(人の手)をかりることも有効な対策です。

まとめ

気圧の変化による体調不良は、気圧だけでなく、湿度や風の強さも影響しています。

台風の到来や、急激な気圧の変化による体調不良への対策は、

  • 耳をマッサージして内耳の血流を良くする
  • 片頭痛や肩こり、自律神経の乱れに効くツボをおしてみる
  • 血管が広がることによっておきる片頭痛の場合は、痛む場所をタオルで冷やして、静かな場所で横になる

そして、それに加えて普段から自律神経のケアをして、急な気圧の変化に対応する「あなた自身の力」をUPしておきましょう。

参考文献

[1] Dixon, W.G., Beukenhorst, A.L., Yimer, B.B. et al. How the weather affects the pain of citizen scientists using a smartphone app. npj Digit. Med. 2, 105 (2019).https://doi.org/10.1038/s41746-019-0180-3

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