とれない疲れ・自律神経の乱れの原因が頭や顔にあることも!

2019年10月31日

頭蓋オステオパシー

こんにちは。
”アメリカの医学・オステオパシー” という手技で身体の調整をしております、ぺんぎん堂の橋本智子です。当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。

最近、小顔矯正や顔の歪み矯正などの美容を目的とした”頭蓋骨矯正”整体をよく目にするようになりました。
頭蓋への施術の起源は、1900年代前半のアメリカのオステオパシー医師による研究と発表です。

頭蓋へのオステオパシー施術には、背景となる理論と概念があり、繊細な頭蓋部を施術するためには高度な触診技術が求められます。

頭蓋オステオパシーとはどんなものか、整体による頭蓋骨矯正との違いについて解説していきます。

頭蓋オステオパシー施術の歴史

1890年代、当時アメリカン・スクール・オブ・オステオパシーの学生だったサザーランド博士(オステオパシー医師)が、学生時代に多くの頭蓋骨を観察し、頭蓋骨の骨のひとつである”蝶形骨”と”側頭骨”のつなぎめ部分に注意をひかれたのがきっかけでした。
そのふたつの骨のつなぎめは魚の鰓(えら)のようであり、鰓呼吸するように動くよう見え、「なぜこんな形をしているのか?」を知りたいと思い、30年にわたって、研究・調査・自分自身への実験を重ねて、頭蓋骨の動きとその不調や診断・治療についての理論を導き出しました。

当初は風変りと思われていた頭蓋オステオパシーでしたが、その診断や治療から得られた効果が知られるにつれ、治療を求める患者や、その理論や技術を求める医師の数が増していきました。

1946年には、オステオパシー・クラニアル協会(The Osteopathic Cranial Association)が設立されました(現在はクラニアル・アカデミー(Cranial Academy(英語サイト) )と名称を変えています)。
1960年には、アメリカ・オステオパシー学会で頭蓋理論がオステオパシー医学の一部として正式に認められました

その後、ジョン・E・アプレジャー博士(オステオパシー医師)が、頭蓋オステオパシーからクレニオセイクラルセラピーという独自の施術体系をつくりました。
クレニオセイクラルセラピーでは、5グラムタッチとも呼ばれる軽い力を使って頭蓋から仙骨まで施術します。
頭蓋オステオパシーとは別の施術体系として発展しているものです。

頭蓋オステオパシーの背景となる理論ー頭蓋骨の動き

空気を吸ったり吐いたりする呼吸運動に加えて、中枢神経(脳と脊髄)も一定のリズムの自動運動をしています。
また、脳と脊髄の周りにある脳脊髄液という液体も運動(循環)しており、吸収と産生を繰り返しています。
下図の濃い青の部分が脳脊髄液です。
赤い矢印のように常に循環しています。この脳脊髄液の動きが波動となり、脳と脊髄を包む硬膜に伝わり、硬膜の張力によって頭蓋骨が動くのが頭蓋オステオパシーの背景となる理論です。

くも膜下腔を循環する脳脊髄液

くも膜下腔を循環する脳脊髄液
Imageby ServierMedicalArt / CC BY
頭蓋骨は全部で23個もあります。 それぞれの骨が縫合とよばれる継ぎ目によってつながっています。 下の写真は、頭頂部から後ろにかけての骨のつなぎ目です。 生きている人の場合は、ふたつの骨はもっとぴったりとくっついています。

左右の頭頂骨をつなぐ矢状縫合

脳脊髄液の流れが周りの硬膜につたわり、硬膜の張力によって骨の継ぎ目がわずかに開くことで骨が動きます。

硬膜は頭のてっぺんから仙骨までつながっているので、硬膜の張力は仙骨にも伝わります

おおかまに言うと、

  • 脳脊髄液の循環・波動と硬膜の張力
  • 頭蓋骨はわずかに可動性をもっていること
  • 硬膜の張力は仙骨まで伝わること

などが頭蓋オステオパシー施術における重要な概念です。

オステオパシーの哲学 「全身はひとつ」

オステオパシーでは全身はひとつと考えます。
つまり、頭蓋領域も全身・全体の一部と考えます。

全身を診たうえで、不調に対処するためには頭蓋オステオパシーが必要であるかどうかを判断します。 頭蓋だけを施術すればあらゆる不調が良くなる、とは考えません。

私自信はまだ頭蓋だけを施術するセッションは経験がありませんが、脊柱仙骨や体幹・四肢などの他の部位を施術したあとで、頭蓋の施術をすることは多いです。

頭蓋領域は身体の中枢であり、非常に重要な領域なので、自己回復力を高めるという意味でも頭蓋の施術は大切です。

頭蓋オステオパシーの検査 何を検査するのか?

まず、23個の頭蓋骨の動きを検査します。
それぞれの骨の可動性には一定の方向があり、その方向に正常な動きがあるかどうかを確認します。
動きが悪ければ、その原因を探します。

  • 表面の筋肉・筋膜・腱膜なのか
  • 骨と骨をつなぐ縫合なのか
  • 骨の内側にある硬膜なのか
  • それとも大脳鎌や小脳テントと呼ばれる他の膜なのか
  • 脳脊髄液や静脈血など体液の流れが悪くなっているからなのか

などを考えます。

頭蓋骨の動きが悪いとどんな不調が起こるのか

頭蓋骨の動きが悪いと筋や膜の張力で歪みが生じることがあります。
そうすると、顔の非対称や顎関節症の原因になることがあります。
また、頭蓋骨の一つである側頭骨という骨の中には内耳があります。
側頭骨に問題が生じると、めまいや耳鳴りの原因になることがあります。
それから、頭部の血液・リンパの循環や脳脊髄液の循環にも影響が出ますし、脳・脊髄・脳脊髄液を包む硬膜の緊張にもつながります。

  • 頭痛はもちろん、
  • まぶたの痙攣や眼精疲労などの他にも、
  • 自律神経の乱れや、
  • 眠りが浅い
  • 疲れが抜けにくい
  • 仙骨の動きに悪影響がでて腰が痛くなったり、

  • 首や肩のつらさ

    となってあらわれることもあります。

もちろん、こういった症状の原因が頭蓋領域ではなく他の部位、たとえば脊柱や骨盤、足や手にあることもあります。
頭蓋骨の動きが悪くなる原因は、

  • 片方で噛む癖、
  • 出産時の影響、
  • 頬杖をつく、
  • 足首の捻挫
  • 骨盤の歪みや悪い姿勢のくせ、
  • ストレス、
  • 外傷

など、多岐にわたります。

まとめ ー 整体による頭蓋骨矯正と頭蓋オステオパシーの違い

オステオパシー施術では、身体はひとつと考え、頭蓋領域だけでなく全身を診て施術する箇所を決めます。
頭蓋領域を検査する際には、

  • 脳脊髄液の循環・波動と硬膜の張力、
  • 頭蓋骨はわずかに可動性をもっていること、
  • 硬膜の張力は仙骨まで伝わること

などの概念に基づいて検査し、何を改善するために・どの箇所を・どのように施術するか、を決めます。
頭蓋オステオパシーを行う施術者は、頭蓋領域の解剖学を理解した上で詳細に触診して検査・施術を行います。
これが、オステオパシーと整体による頭蓋骨矯正との違いです。

当院では、検査の結果に応じて頭蓋オステオパシーとクレニオセイクラルセラピーを行っております。

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