なぜオステオパシーで自律神経が整うのか?~最新研究が明かす秘密
2025年2月15日

こんにちは。
”アメリカの医学・オステオパシー” という手技で身体の調整をしております、ぺんぎん堂の橋本智子です。当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。
22.8%。なんの数字だと思いますか?
全国の20代~50代の男女を対象にした意識調査 で、自律神経の乱れを感じているという人が42.9%。
そのうち、自律神経を整えるために日常生活で意識や行動をしている人の割合が22.8%。少ないですねぇ…
そもそも、時間に余裕のない人が自律神経の乱れを感じるから、そうなってしまうのかもしれません。
自律神経の乱れを感じたら、まずはセルフケアが一番です。でも、それでは追いつかないない、疲れ切ってしまった…というかたには、アメリカ式整体オステオパシーがおすすめです。
- オステオパシーってどんなことするの?
- なんで自律神経に良いの?
などの疑問にお答えします。
自律神経は、私たちの意思に関係なく「自律」して体の機能を調整してくれています。例えば、
- 心臓の動き: 血液を全身に送るポンプの強さを調整
- 呼吸: 酸素を体に取り込み、二酸化炭素を排出するスピードを調整
- 消化: 食べたものを消化し、栄養を吸収する働きを調整
- 体温: 暑い時は汗をかき、寒い時は体を震わせて体温を調整
24時間、休むことなく働いています。
- 交感神経: 活動モードの時に働く神経。
- 副交感神経: リラックスモードの時に働く神経。

スポーツや仕事で集中している時や、緊張・興奮しているときには、交感神経が優位になり、
- 心拍数を上げたり、
- 呼吸を速くしたり、
- 血管を収縮させたりします。
一方、寝ている時、食事中やゆったりとくつろいでいる時には、副交感神経が優位になり、
- 心拍数を下げたり、
- 呼吸をゆっくりにしたり、
- 血管を拡張させたりします。
例えば、ぽかぽかと体があったかくなる時は、副交感神経が活発な時ですね。
健康なときには、「交感神経」と「副交感神経」が状況に応じて切り替わります。
例えば、日中仕事に集中しているときには交感神経が優位になり、夜くつろいでご飯を食べているときには副交感神経が優位になります。
でも、
- ストレス
- 不規則な生活
- 睡眠不足
- 過労
などが原因で、この切り替えがうまくいかなくなってしまうことがあります。
これが、「自律神経の乱れ」です。
例えば、
- 交感神経が過剰に働く
(ストレスが多い、寝不足など)
ずっと興奮状態になり、心臓がバクバク、呼吸が浅い、イライラ、血圧が高くなる。 - 副交感神経が働きにくい
(リラックスできない)
休めない・回復できないので、疲れやすい、寝つきが悪い、胃腸の調子が悪くなる。 - バランスが崩れる
(交感・副交感の切り替えがうまくいかない)
めまい、頭痛、倦怠感、冷え・のぼせ、不安感などを感じる。
オステオパシーを聞いたことがない人のために、簡単にご紹介します。
オステオパシーは、自然治癒力を充分に活かして、身体が本来持っている機能性を取り戻し、健康に導く医学です。1874年にアメリカの医師が始めたものです。
アメリカ式の整体、と考えるとイメージがしやすいかと思います。
アメリカでは医師のライセンス、ヨーロッパでは医療系の国家資格です。
オステオパシーが自律神経にどのような影響を与えるのか、世界で様々な研究が行われています。論文を探してみると、以下のようなことがわかります。
- 副交感神経の活性化
特に首(頸部)を対象とした施術が、副交感神経(迷走神経)を刺激し、副交感神経活動の増加につながります。
副交感神経活動が増加すると、休息モードにはいって、ストレスや不安の軽減に役立ちます。
[参考文献 2, 3]
- バランスを整える
交感神経系の過活動を軽減して、交感神経と副交感神経のバランスを改善する。これは、オステオパシー施術後の、心拍変動(HRV)の改善によって確認されています。
[参考文献 2]
- 「体の状態を感じる」力の改善
内受容感覚(体の状態を感じて調節する能力)に良い影響を与える。
内受容感覚は、体の内部の状態を感じ取る能力、例えば
「おなかがすいた」
「のどが渇いている」
「心臓がドキドキしてる」
などを感じる能力です。
この感覚に働きかけることで、体の自己調節機能を改善することができます。
[参考文献 3]
- 筋骨格系の緊張の解放
筋骨格系の緊張を和らげることで、様々な反射経路を通じて間接的に自律神経の改善に影響を与えます。。
[参考文献 4]
正確なメカニズムについてはまだ研究中ですが、研究で示された結果は、オステオパシーが様々な経路を通じて自律神経系機能にプラスの影響を与えることができる ことを示しています。

施術は検査から始まります。頭の先から足の先まで、目で見て触って動かして、あなたのお体の状態を確認<します。
検査の結果をもとに、あなたの全身のなかで「今日はここ!」ということろを施術します。
オステオパシーの施術は、体に無理な力を加えることなく、優しい圧力と動きで行います。
眠ってしまう方も多いくらい、優しい力で、気持ちいい施術です。
「なんでこれで楽になるんだろう?」と毎回不思議がる方もいらっしゃいます。
全身にアプローチするので、頭や仙骨も施術します。
頭と仙骨は、脳と神経を包む硬膜という膜でつながっているので、自律神経の調整をするときには特に重要な場所です。

全身なので、内臓も含まれます。内臓を支える膜が緊張しているときには、その膜をゆるめます。
内臓を支える膜が緊張していると、内臓の機能や自律神経にも良くない影響があります。
多くの方が施術後に
- 「体が軽くなった」
- 「呼吸がしやすくなった」
といった変化を感じるとおっしゃいます。
オステオパシーで自律神経の乱れが改善されていくと、次のような変化が期待できますよ。
- 睡眠の質の向上
- 疲れにくい体づくり
- 胃腸の働きの改善
- ストレス耐性の向上
変化には個人差があり、即効性を求めすぎることは逆効果になる可能性があります。
体が本来持っている自然治癒力を引き出しながら、じっくりと改善を目指していくことが大切です。
自律神経の乱れは、日々の生活習慣や環境の影響を受けます。そのため、一度の施術で完全な改善を目指すのではなく、定期的なケアを行うことをお勧めしています。
また、施術と併せて、ご自身でできるケア方法(呼吸法や簡単なストレッチなど)もアドバイスさせていただきます。
日々のセルフケアと組み合わせることで、より効果的に自律神経の働きを整えることができます。
オステオパシーは、体の構造を整えることで自律神経の働きにアプローチする自然な調整法です。急激な変化を求めるのではなく、あなたの体がもっている本来の力を引き出しながら、じっくりと改善を目指していきます。
ぺんぎん堂では、アメリカ式整体のオステオパシーという方法で、脊柱の歪みや自律神経を整えます。
自律神経の乱れでお悩みの方は、ぜひ一度お越しください。
西荻窪で営業しております。
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