突然の膝の痛み。その原因は…
2022年3月3日
こんにちは。
”アメリカの医学・オステオパシー” という手技で身体の調整をしております、ぺんぎん堂の橋本智子です。当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。
先日、椅子に座っていて何気なく立ち上がろうとしたら右の膝にピリッと瞬間的な激しい痛みが。転んだり捻じったりした覚えもないのに靱帯を痛めたの?と心配でしたが、オステオパシー施術ですっきりしました。
どんな痛みだったのか、何が原因だったのかなどをお話しします。
先月のことです。座っていて何気なく立ち上がろうとしたら右の膝にピリッと瞬間的な激しい痛みが。
「え。今までこんなのなったことない。。。」
疲れがたまってくると、右腰が重くなったり、階段で右膝に違和感がでることは時々あります。でも今回のはいつもと違う。階段でもないし、痛みの感じも違うし。
ちょっとした痛みなら、セミナーや練習会でペアの先生に治してもらうんですが、今回はどうかな?もうすぐ練習会の予定があるから、そこでなんとかなるかな?などと思いながら、だましだまし4日間過ごしました。
練習会当日。右の腰もだんだんおかしな感覚になってきていました。
パートナーの先生にみてもらったら、やっぱり「かなり骨盤おかしいですよ」と。その日は、足回りのテクニックの練習をしたのですが、腰・骨盤まわりだけ軽く施術してもらいました。
翌日。「お!ちょっと痛みの度合いが減ってきた♪ まだ残ってはいるけど、このまま抜けるかな?」
ところが… 残った膝の痛みがしつこくて抜けないのです。 「いままでと違う感じだから、知らない間に捻ったりして靱帯をおかしくしたのかも」とだんだん心配に。
ラッキーなことに、1週間後に、オステオパシーのセミナーや勉強会でいつもお世話になっている大先生の施術の予約をしていたので、「それまで持ちこたえれば大丈夫なはず!」と、姿勢を工夫しながら仕事(施術)して過ごしました。
一週間後、待ちに待った施術の日がやってきました。
「今日は気になるところはありますか?」
「体重かかった時に右膝が痛くて。この間、練習会で見てもらってましにはなったんですが、まだ残っています。それと、今日歩いていたら、右の腰のハリもあります。」
「大したことないけど、ちょっとだけ右の腎臓下がってるから、ここからスタートしますね。」
腎臓と、お腹周りのインナーマッスルや、腹筋群などを整えていただいて、それから背中も。
そんなにカチコチになっていた覚えはないんですが、ふーっとゆるんだ瞬間「あー、こんなに力が入っていたんだ、私の背中(^^;)」と、しみじみ。
「膝にちょっと老廃物もたまってるみたいだから、ここもながしましょうね。」
やっぱり、ちょっとだけ膝のリンパの流れも悪くなっていました。
そして帰り道。歩いてみるとだいぶいい!でも思いっきり右膝に体重をかけるのは、まだちょっとこわいなぁ…
翌日、翌々日は、体重を思いっきりかけるのがちょっとこわいのは残りました。
あまり気にしないほうがいいのはわかっているのですが、ついつい、
「このくらい体重かけるとどうなってるかな?」
「この角度に捻るとまだ痛いかな?」
と、痛みの確認😅 クライアントさんには、痛みの事はなるべく忘れて、痛いかどうか確認するのはやめたほうがいいですよーってよく言っているのに(・・;)。
やっぱり気になりますよね、痛みはましになったのか、まだまだ痛いのか?!
施術後3日目くらいからなんとなく忘れていて、1週間くらいたったころ、
「そういえばなんともない\(^o^)/」。
気づいたら痛みがなくなっていた、という感じでした。
今回の私の膝の痛みは、もしや靱帯とかなにか痛めてしまったのでは?と思うようないつもと違う感じの痛みでしたが、膝そのものが原因ではありませんでした。
原因は、腎臓とお腹周り・骨盤周りのインナーマッスルでした。
腎臓は、どこかにピタッとついているわけではなくて、脂肪組織や筋膜に支えられているってご存じでしたか?
日常生活の身体の動きと一緒に、腎臓は上下に動いています。
- 立ち上がった時
- 息を吸ったとき、吐いた時
- 深呼吸するともっと動きます
腎臓は、健康な人でも3センチ弱は動くという論文注1があります。外国の研究だと、腎臓は正常でも2~5cm,平均して3.5cmの上下移動をする注2、女性では1.5~5cmくらい移動をし、男性はその約半分移動する注3という論文もあります。
腎臓は、3cmも動いても、通常なら元の位置にちゃんと戻ります。でも、戻らなかったり、半分しか戻らなかったりすると、神経を刺激して思わぬ不調や痛みがでることがあります。
下がった腎臓が元の位置まで戻らないときによくある不調は
- 腰痛
- 脇腹や背部の痛み
- 坐骨神経痛
- 胃腸の不調
それと、
- 膝の痛み
です。
私は胃下垂なので、腎臓も含めて内臓が下がりやすい傾向にあります。健康診断で、でっかく「胃下垂」というハンコをおされたこともあります(^^;) ハンコが押されただけで、精密検査もないし、治療が必要な病気でもないのですが。
女性は、男性よりも少しだけ腎臓が下にあるので、痩せ型の女性は腎臓が下がりやすいです。
ダイエットなどで急に体重が減った時や、出産の後は腎臓は下がりやすいので、要注意。出産後は、骨盤矯正もよいですが、腎臓もきちんと検査して問題があったら施術しておくのがおすすめです。
今までと違う膝の痛みに、これはもしや靱帯かなにか痛めてしまったのかしら?!と心配でしたが、いつものオステオパシー施術で改善しました(^^)
膝の痛みの原因はたくさんありますが、腎臓もそのひとつ。腎臓の病気ではないので、オステオパシーの施術で改善します。
[1] 今田了治. 遊走腎の臨床的研究. 日腎誌. 1964, vol. Ⅳ, no. 3, p.247-260. doi:10.14842/jpnjnephrol1959.6.247. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnjnephrol1959/6/3/6_3_247/_article/-char/ja/.
[2] Lichtenberg, Voelcker & Wildbolz. Handbuch der urologie, Bd. 1, Bd. 2, Bd. 4, Berlin 1926-1927
[3] Young & Waters : Urological Roentgenology, New York, 1928.
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