季節の変わり目は体がだるいだけじゃない。ぎっくり腰にも要注意
2023年2月18日
こんにちは。
”アメリカの医学・オステオパシー” という手技で身体の調整をしております、ぺんぎん堂の橋本智子です。当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。
季節の変わり目は体調を崩しやすいもの。なんとなく体がだるい、イライラすることも多いですよね。それだけでなく、腰痛やぎっくり腰も増える時期なんです。 季節の変わり目にどうして腰痛やぎっくり腰が増えるのか、そのメカニズムと予防法をお話しします。
目次
季節の変わり目の気温のアップダウンに体がついていかないなぁ、と感じることはありませんか?
2020年の養命酒製造株式会社調べによると、「季節の変わり目は気温の変化についていけない」という問いに、あてはまる・ややあてはまると回答した人が、女性60.5%、男性44.9%でした。
2022年で、一日の気温差が10度以上ある日数を調べてみました。
出典:気象庁のホームページ(東京都千代田区の気象データを利用して作成)
冬から春への移り変わり、2月から4月ごろまでは一日の寒暖差が激しいですね(°◇°;) 良く晴れた日は、朝晩と日中の気温差がとくに大きいですよね。
では、一日の気温差は比較的少ない秋口はどうでしょう?
一日の寒暖差はそれほどでなくても、日毎の気温のアップダウンが激しいのも季節の変わり目の特徴です。
秋から冬への変わり目。低気圧と高気圧が交互に通過して、そのたびに気温は上がったり、下がったり。
毎日、天気予報を見ながら、今日は服装どうしようか、と悩む時期ですよね。
また、寒い冬を過ごした体は、急激な気温の上昇になかなかついていけなかったり、その逆で、暑い夏を過ごした体は急激な寒さについていけなかったり…
気温が変化しても、体温を一定に保つために活躍するものはなんでしょう?
そう、自律神経です。
寒くなると、 自律神経は、末端の血管を収縮させて血流を減らして、体内の熱が外に逃げないようにします。 それでもだめだと、体をぶるぶる震わせて、熱を作ります。
暑くなると、 逆に、体の表面に近い細い血管を大きく広げて血流を増やして、体内の熱を外に逃がします。 それでも足りないと、汗を出して体温を下げます。
暑くなったり寒くなったり、一日の中で、また日毎の気温差が激しいと、血管を収縮させたり緩めたり、自律神経が過剰に働いて疲れてきてしまいます。
この自律神経の疲労が、肩こりや頭痛、だるさやイライラ、そして腰痛も引き起こしてしまうんです。
自律神経が疲れて、
- 肩こりがひどくなるのか、
- 頭痛に悩まされるのか、
- それとも腰痛となって表れるのか、
それはあなたのウィークポイントや、日頃の疲れがどこにたまっているかで変わってきます。
一年中ぎっくり腰になる人もいるし、いつも腰が痛い人もいます。でも、腰の問題が悪化する人が増えるのは季節の変わり目なんです。
激しい寒暖差で自律神経の疲れてくると、交感神経と副交感神経の切り替えが難しくなってしまいます。
切り替えがうまくいかなくなって、交感神経のスイッチが入りっぱなしになってしまうと、筋肉はかたくなり、血流も悪くなってしまいます。
もともと腰に疲れがたまっているところに、そんな自律神経の疲れが重なると、腰痛がひどくなったり、ぎっくり腰になってしまうのです。
季節の変わり目に自律神経が乱れても、腰に疲れがたまっていなければ、ひどい腰痛やぎっくり腰にもなりにくいです。
腰に疲れをためないために、できることはなんでしょう?
答えは『適度に動く』こと。
使いすぎても、使わなさ過ぎても腰痛のリスクは高くなるんです。
腰の組織にかかる負荷と、損傷のリスクの関係はUの字になる、という研究があります。(論文は、Spineに掲載されています。L Abenhaim, M Rossignol, J P Valat, et al. , 2000[参考文献 1])
動きすぎても動かな過ぎても腰痛のリスクは高くなる。ほどよい動きが最適、ということです。
適度に動くのには、ウォーキングがおすすめです。毎日でなくてもいいし、15分程度でもいいのです。
それから、時々大股歩きをすると、普通に歩くときとは違う筋肉の使い方をするので、腰痛予防にはとても良いです。
電柱を目安にして、次の電柱まで大股で、その次までは普通に、としたり、10歩大股であるいて、しばらく普通に、また10歩大股で、など、やりやすい方法で大股歩きをしてみてください。
腰を痛めることの多い時間帯は、
- 早朝・起床後の30分
- 長時間座ったり、深くかがんだあと
です。
朝起きてからの30分くらいや、長時間座ったりしたあとは、
- 背骨のクッションの役目をしている椎間板
- 背骨を支えている靱帯
- 背骨やその周りの筋肉を包んでいる筋膜
が、ゆるゆるの状態になっています。
かたいよりも緩いほうがいいような気がしますか?
いえいえ、違うのです。
ゆるゆるの状態で不安定になっているので、急に動かしたり、大きく捻じったりすると、不安定な背骨を支えようとして腰の筋肉が異常に緊張したり、ヘルニアなどの深刻な損傷のリスクも高くなってしまいます。
ですので、対策は、
- 早朝に物を持ち上げるのを避ける
- 長く座ったり、かがんだ後に物を持ち上げるのを避ける
- 長く座らずに、時々立ったり、腰を動かしたりする
です。
物を持ち上げる時に、腰に負担がかからない姿勢をとることも、とっても大切です。それに加えて、そもそも危険な時間帯に腰に負担がかかることをしないほうが良いのです。
寒暖差による自律神経の疲れを軽くするためにできることは…
深部体温をあげる
ぬるめのお風呂にゆっくりはいって、深部体温をあげましょう。首には自律神経が集まっています。首までしっかりつかって、体の芯まであたためましょう。耳をぐるぐる
耳にも自律神経が集まっています。耳をつまんでぐるぐるまわすのも、有効な対策です。
また、温度差が7度以上になると、寒暖差疲労の危険が増すそうです。
家の中から外に出る時に、温度差が7度を超えないように、寒いときには服装で上手に調節しましょう。
季節の変わり目には、腰痛がひどくなったり、ぎっくり腰になる人が増えます。
その原因は、寒暖差による自律神経の疲れ。
もちろん、ぎっくり腰になるのが、いつも季節の変わり目、というわけではありません。腰にたまった疲れが、寒暖差による自律神経の疲れで表面化してしまう時期が季節の変わり目なんです。
日頃から腰に疲れをためないように、そして腰痛の危険な時間帯を知ってぎっくり腰を防ぎましょう。
当院では、腰や背中にたまった疲れをやわらげたり、自律神経を整えたりして、ぎっくり腰の予防をお手伝いをしております。
セルフケアで対処できないくらいに疲れがたまってしまったら、お早めにご相談くださいね。
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[1] Abenhaim L, Rossignol M, Valat JP, Nordin M, Avouac B, Blotman F, Charlot J, Dreiser RL, Legrand E, Rozenberg S, Vautravers P. The role of activity in the therapeutic management of back pain. Report of the International Paris Task Force on Back Pain. Spine (Phila Pa 1976). 2000 Feb 15;25(4 Suppl):1S-33S. doi: 10.1097/00007632-200002151-00001. PMID: 10707404.https://doi.org/10.1097/00007632-200002151-00001
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