「腰にやさしい」くしゃみの仕方
2024年5月25日
こんにちは。
”アメリカの医学・オステオパシー” という手技で身体の調整をしております、ぺんぎん堂の橋本智子です。当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。
「花粉の季節はくしゃみが怖い😱」
「腰にピキッときそうで、くしゃみは恐怖」
ぎっくり腰に一度でもなったことがあると、本当に怖いですよね、くしゃみ。
「花粉症の季節は本当にいやです」という方もとても多いです。
実は、ちょっとしたコツで危険を減らせます。
くしゃみをするときに、テーブルなどにつかまるのが正解👍
でも、なぜでしょう❓
この記事では、
くしゃみで腰がピキッとくるのはどうしてか?
危険なくしゃみの仕方は?
じゃあ、どうすれば怖くないのか?
をお話しします。
くしゃみの速度は新幹線🚅よりも速い?!
実はそんなに速くなくて、時速160kmという説もあれば、57.24kmという研究データ[参考文献 1]もあります。
いずれにしても、普通の呼吸に比べたら、すごーく速いです。
くしゃみをすると、瞬間的に時速50kmを超える速度で息を吐き出すので、腹圧が急激にあがるのです。
くしゃみが出そうになると、
- 目を閉じて、
- 横隔膜に力を入れて、
- 大きく息を吸い込んで、
- 一瞬呼吸を止めて、
くしゃみの準備をします。そこから一気に空気を吐き出してくしゃみ🤧をします。
くしゃみをした瞬間に一気に腹圧があがるので、お腹を支えている筋肉がグッと引き延ばされて痛めてしまうことがあります。
また、背骨のクッションの役割をしている椎間板にも急激に圧がかかります。最悪の場合は、この衝撃が原因でヘルニアになることもあります。怖いです。
腰の調子が悪い時には、くしゃみのしかたは気を付けたいですね。
そんなに怖いくしゃみなら、鼻をつまんで我慢すればいいんじゃないの?
だめです!❌❌❌
なんと、「くしゃみ我慢したら喉に穴、英34歳男性の症例」という例があるんです。
くしゃみ我慢したら喉に穴、英34歳男性の症例(CNNの記事)鼻をつまんでくしゃみを我慢しようとすると、外に出ようとしている空気の行き場がなくなって、
- 鼻腔の問題や
- 中耳・内耳の損傷、
- 耳の感染症、
- 鼓膜の破裂
が生じることもあるのだそう。
そもそもくしゃみは、生体の防御反応のひとつ。一気に空気を吐き出して、体内に侵入しようとする異物やウィルスを吹き飛ばそうとしています。
必要な反応なので、そういう意味でも我慢するものではないですね。
結論。くしゃみを我慢するのはやめましょう。
くしゃみをした時に腰がピキッとくる原因は ”瞬間的に腹圧が上がること” というお話をしました。
腹圧の大きさそのものは変えられません。
でも、その腹圧が一点集中でかかるのと、分散するのとでは負担が違う気がしませんか?
背骨が不安定な姿勢でいると、腹圧が一気にかかった時に、負担が背骨に集中してしまいます。
背骨に集中するということは、椎間板にも負担がかかってしまうということ。
くしゃみをするときの姿勢と腰への負担を計測した研究があります[参考文献 2]。以下の3つの姿勢でくしゃみをしたときの腰部への負担を測定しています。
- 普通に立つ ❌
- 立つ + くしゃみをした時に体が丸まらないようにする ⭕
- 机に両手をつく ⭕
結果は、1.に比べて、2.と3.の条件だと腰への負担が低いというものです。
普通に立ってくしゃみをすると、くしゃみの勢いで腰が丸くなりますよね。これが負担の原因です。
背骨は自然なS字カーブを保っているときが一番安定しています。つまり、腰の部分はわずかに反っている姿勢です。
2.のケースでは、腰が丸まらないように気を付けたこと、3.のケースでは、両手をつくことによってくしゃみの勢いで腰が丸まらないようにしたので負担が減ったんですねー。
また、机や壁などに手をついておくと、くしゃみの衝撃を逃がしてくれるので、さらに腰への負担が減ります。
腰が丸くなっていたり、捻じれていたりすると、背骨が不安定で危険な姿勢です。
ですので、前にいる人がいるからといって、腰を捻じってくしゃみをすると恐ろしいことになります。
くしゃみをするときには、机でも、壁でもなんでもいいから手をつきましょう。
周りに何もないときは、膝を軽く曲げて手をひざについて、腰を真っすぐにして「くしゅん!」が良いです。
くしゃみをするときに、腰や首を捻じったりしないように。周りに人がいて気になるときは、体ごと横を向いてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ぺんぎん堂では、アメリカ式整体のオステオパシーという方法で、脊柱の歪みや自律神経を整えて、「日頃から腰を良い状態に保てる」ようにお体を調整します。
施術後には、良い姿勢を作るコツもアドバイスしています🐧
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[1] Han M, Ooka R, Kikumoto H, Oh W, Bu Y, Hu S. Experimental measurements of airflow features and velocity distribution exhaled from sneeze and speech using particle image velocimetry. Build Environ. 2021 Nov;205PMC
[2]Hasegawa T., Katsuhira J., Matsudaira K., Iwakiri K., Maruyama H. Biomechanical analysis of low back load when sneezing. Gait Posture. 2014;40(4):670–675.PubMed
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